２０１４年４月１６日に大韓民国の大型旅客船「セウォル」が転覆沈没事故があり、

「カルネアデスの板」を思い出してしまった。

 

海上の緊急避難において、一人の男が命からがら、壊れた船の板切れにすがりついた。

するとそこへもう一人、同じ板につかまろうとする者が現れた。

しかし、二人がつかまれば板そのものが沈んでしまうと考えた男は、

後から来た者を突き飛ばして水死させてしまった。

その後、救助された男は殺人罪で裁判にかけられたが、罪に問われなかった。

 

現代の日本の法律では、「刑法第37条、緊急避難」に該当すれば、この男は罪に問われないが、

その行為によって守られた法益と侵害された法益のバランスによっては、

過剰避難と捉えられる場合もある。

 

あなたは、地震発生時、津波避難指定のマンションの閉ざされたガラス自動ドアを壊して、

避難する事が出来るでしょうか？

もしかしたら、津波で死ぬかもしれないが、そこまで津波は来ないかも知れない。

津波が来れば、必然的にガラスドアは壊れているだろうが、

津波が来なければ、壊したガラスドアの賠償責任が発生する。

 

ガラス扉を割るなら、一番小さいガラスを割りましょう

修理代も１０～１５万円程度でしょう

余談だが、【自動ドアの隙間に、本などを挿み、上に持ち上げると、解放する自動ドアもあります。】

緊急避難時以外にこれをやったら法的に罰せられるので、絶対にやらないでね